ラストワンマイル
読み方:らすとわんまいる 英語表記:Last One Mile
ラストワンマイルとは、物流拠点から最終的な届け先(消費者や店舗)までの、配送における最後の区間を指す言葉です。
もともとは通信業界で、基地局から各家庭までの最終回線を指す用語でした。物流に転用され、EC市場の拡大とともに広く使われるようになっています。
なぜ最もコストがかかるのか
物流全体のコストのうち、ラストワンマイルが占める割合は非常に大きいとされています。理由は構造的なものです。
① 1台あたりの配送先が多い
幹線輸送は1つの拠点から1つの拠点へ大量に運びます。対してラストワンマイルは、1台で数十〜百件以上の届け先を回ります。停車・降車・手渡しの回数が桁違いです。
② 積載効率が上がらない
届け先ごとの荷物は小さく、車両を満載にしても走行距離あたりの売上は限られます。
③ 再配達が発生する
不在による再配達は、同じ荷物に対して2倍以上のコストがかかります。ドライバーの拘束時間を押し上げる主要因のひとつです。
④ 都市部では駐車場所の確保が難しい
停車スペースを探す時間、駐車違反のリスクがコストとして乗ります。
解決に向けた取り組み
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| 置き配 | 対面によらず玄関前等に配達。再配達を根本的に減らす |
| 宅配ボックス・PUDOステーション | 受け取り場所を集約し、1回の配達で完了させる |
| コンビニ・店舗受取 | 消費者の生活動線上で受け渡す |
| 配送日時の事前通知 | 在宅率を上げ、初回配達での完了率を高める |
| 軽貨物・個人事業主の活用 | 小回りの利く車両と柔軟な稼働 |
経営者が押さえるべきポイント
ラストワンマイルは、中小・軽貨物事業者にとって最大の参入機会です。
幹線輸送は大型車両と拠点網を持つ大手が有利な領域です。しかしラストワンマイルは、地域を知っていること、小回りが利くこと、柔軟に稼働できることが競争力になります。大手が自社で抱えきれず、外部委託に頼らざるを得ない構造も追い風です。
ただし参入にあたっては、次の2点を冷静に見る必要があります。
① 単価と件数のバランス
個建て運賃は1件あたりが小さいため、件数を積み上げなければ成立しません。ルート効率、再配達率、1日の完了件数を数字で管理できなければ、走っても利益が残りません。
② 委託ドライバーの契約形態
軽貨物では業務委託契約が一般的ですが、実態として指揮命令が及んでいる場合、偽装請負と判断されるリスクがあります。稼働時間の指定、業務内容の細かな指示、専属性の強制などは要注意です。
また、貨物軽自動車運送事業者には2025年4月から貨物軽自動車安全管理者の選任が義務付けられました。参入時にはこの対応も必要になります。
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