置き配・持ち戻り・バラ積みとは?現場用語と生産性への影響を解説 | 運送社長支援

置き配 / 持ち戻り / バラ積み・バラ降ろし

読み方:おきはい/もちもどり/バラづみ・バラおろし

 

置き配とは、対面での受け渡しによらず、玄関前や宅配ボックス等の指定場所に荷物を置いて配達を完了する方法です。持ち戻りとは、不在などで配達できなかった荷物を営業所に持ち帰ることを指します。バラ積み・バラ降ろしとは、パレットを使わず段ボール等を1つずつ手作業で積み降ろしする作業です。

置き配

再配達を減らす最も直接的な手段として普及しました。

 

メリットデメリット・リスク
再配達が減り、走行距離と拘束時間が削減される盗難・紛失のリスク
消費者が在宅を強いられない雨天時の荷物の破損
1日の配達完了件数が増える誤配時の発見が遅れる
ドライバーの精神的負担が軽いトラブル時の責任の所在

 

実務では、置き配指定の事前合意、写真による配達完了記録、置き場所のルール化(雨がかからない場所、人目につきにくい場所)が定着のポイントになります。

持ち戻り

不在、受取拒否、住所不明などで配達できず、荷物を持ち帰ることです。

 

持ち戻りが発生すると、同じ荷物に対して2回以上のコストがかかります。走行距離、燃料、ドライバーの拘束時間が二重に発生し、しかも追加の運賃は原則として得られません。ラストワンマイル配送における最大のロス要因です。

 

持ち戻り率は、宅配事業の収益性を測る重要な管理指標です。

バラ積み・バラ降ろし

パレットやカゴ車を使わず、段ボール箱等を1個ずつ手で積み降ろしする作業を指します。「手荷役」とも呼ばれます。

 

これが運送業の生産性を大きく損なっています。

 

  • フォークリフトなら10分で終わる作業に、1〜2時間かかることがある
  • ドライバーの身体的負担が大きく、腰痛や労災の原因になる
  • 拘束時間を押し上げ、改善基準告示の遵守を困難にする
  • 高齢ドライバー・女性ドライバーの採用障壁になる

経営者が押さえるべきポイント

バラ積み・バラ降ろしは「無償のサービス」ではありません。

 

2024年3月に改定された標準的な運賃では、荷役作業ごとの積込料・取卸料が新たに設定され、標準貨物自動車運送約款でも運送と運送以外の業務が明確に分離されました。荷役や附帯業務は運賃とは別に対価を収受すべきものとして整理されています。

 

さらに、荷役等時間は業務記録への記録対象です(荷主との契約書に荷役作業等が明記されている場合、合計1時間以上で記録が必要。2025年4月から全車両が対象)。

 

そして改正物流効率化法では、荷主の努力義務として「パレット、ロールボックスパレット等の輸送用器具の導入」「フォークリフトや荷役作業員の適切な配置」が判断基準に明記されました。バラ積みの解消は荷主側の取組事項です。

 

つまり打つ手は2つあります。

 

  1. パレット化を提案する(荷主のコンプライアンス対応と一致する)
  2. 解消できないなら対価を請求する(記録が根拠になる)

 

「昔からこうだから」で受け入れ続けることが、最も損失の大きい選択です。

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