点呼とは?業務前後の実施項目とIT点呼・遠隔点呼の違いを解説 | 運送社長支援

点呼 / IT点呼(遠隔点呼)

読み方:てんこ/アイティーてんこ

 

点呼とは、運行の可否を判断するために、運行管理者等が運転者に対して対面で行う確認行為です。IT点呼・遠隔点呼とは、国土交通省の認定を受けた機器を用いて、対面によらず実施する点呼を指します。

点呼の種類と確認事項

点呼は原則として対面で行い、実施した内容を記録して1年間保存する必要があります。

 

種類タイミング主な確認事項
業務前点呼運行開始前酒気帯びの有無、疾病・疲労・睡眠不足等の状況、日常点検の実施結果、運行の安全確保に必要な指示
業務後点呼運行終了後酒気帯びの有無、業務にかかる車両・道路・運行状況の報告、交替運転者への通告内容
中間点呼業務前・業務後のいずれも対面でできない運行の場合、その中間で1回酒気帯びの有無、疾病・疲労・睡眠不足等の状況

 

アルコール検知器の使用は義務です。目視等による確認とあわせて実施し、検知器が正常に作動することも確認します。

IT点呼・遠隔点呼・自動点呼の違い

対面点呼の例外として、ICTを活用した点呼が段階的に認められてきました。制度が複数あり混同されやすいため、整理します。

 

制度概要
IT点呼国土交通大臣が定める機器(IT機器)を用いて、営業所間・車庫間等で実施する点呼。Gマーク(安全性優良事業所)認定などの条件がある
遠隔点呼顔認証等の生体認証機能を備えた高度な機器・システムを用い、離れた場所間で実施する点呼。施設・環境・運用の要件を満たせば、Gマーク未取得の営業所や開設3年未満の営業所でも実施可能
業務後自動点呼国土交通省の認定を受けた機器を用い、運行管理者等の立会いなしに実施する点呼。業務後のみ認められている(業務前自動点呼は制度化に向けた検討・実証段階)

 

いずれも所定の機器要件・申請手続きが必要です。導入を検討する際は、最新の要件を国土交通省または所轄の運輸支局に確認してください。

経営者が押さえるべきポイント

点呼は監査で最初に見られる項目です。

 

点呼記録の不備、アルコールチェックの未実施、記録の保存漏れは、監査における典型的な指摘事項であり、行政処分に直結します。飲酒運転による重大事故が発生すれば、点呼の実施状況が真っ先に問われます。

 

IT点呼・遠隔点呼の導入は、コスト削減ではなく体制強化の手段として考えるべきです。

 

導入の実務的なメリットは次のとおりです。

 

  • 深夜・早朝の運行管理者の負担軽減:24時間365日の対面体制を維持するのは中小事業者には過大な負担です
  • 複数営業所の集約管理:小規模営業所ごとに有資格者を張り付ける必要が減ります
  • 記録の自動化:手書き記録の転記ミスや保存漏れがなくなり、監査対応が容易になります
  • 改ざんリスクの排除:システム記録は客観性が高く、指導時の証拠力があります

 

特に、運行管理者が1人しかおらず深夜点呼を社長が代行している、といった状態の会社では、遠隔点呼の導入が労務問題とコンプライアンスの両方を同時に解決します。

 

一方で、機器を入れれば終わりではありません。要件を満たす運用(記録項目の網羅、保存、異常時の対応手順)が伴わなければ、対面点呼より状況が悪化します。

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