一般貨物自動車運送事業(トラック運送業)
読み方:いっぱんかもつじどうしゃうんそうじぎょう
一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ有償で、自動車(軽自動車・二輪を除く)を使用して貨物を運送する事業です。いわゆる緑ナンバーのトラック運送業がこれにあたります。
事業区分の全体像
貨物自動車運送事業法では、事業を3つに区分しています。
| 区分 | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| 一般貨物自動車運送事業 | 不特定多数の荷主から有償で運送を引き受ける | 許可 |
| 特定貨物自動車運送事業 | 特定の1荷主に限定して運送する | 許可 |
| 貨物軽自動車運送事業 | 軽自動車・二輪で有償運送する | 届出 |
許可の主な要件
① 車両 営業所ごとに事業用自動車5台以上を確保すること。
② 人的要件
- 運行管理者:資格者を選任。事業用自動車29両までは1人、以降30両ごとに1人追加
- 整備管理者:車両5両以上の営業所に選任。整備士資格または実務経験2年以上+研修修了などの要件
- 運転者:改善基準告示を遵守できる員数
③ 施設要件
- 営業所・休憩睡眠施設:市街化調整区域でないこと等、用途地域の制限をクリアすること
- 車庫:原則として営業所から一定距離内、車両が適切に収容できる面積があること
- 休憩睡眠施設:睡眠を与える場合は1人あたり2.5㎡以上
④ 資金要件 事業開始に要する資金を確保し、自己資金が所要資金以上あることを申請時・許可時の2回にわたって残高証明で証明すること。
⑤ 法令試験 申請者(法人は常勤役員1名)が、貨物自動車運送事業法等に関する法令試験に合格すること。
許可取得までの期間は、申請からおおむね4〜6か月が目安です。
経営者が押さえるべきポイント
新規許可とM&Aによる承継、どちらが合理的かを比較すべきです。
新規で許可を取る場合、施設の確保、資金証明、法令試験、審査期間を含めて相応の時間とコストがかかります。一方、既に許可を持つ事業者を譲り受ければ、許可・車両・ドライバー・荷主との取引関係をまとめて承継できます。
近年、運送業界では後継者不在による廃業が増えており、譲渡を検討する事業者は少なくありません。買い手にとっては時間を買う手段、売り手にとっては従業員の雇用と事業を残す手段として、M&Aの選択肢は現実的なものになっています。
なお、事業開始後は以下の義務が継続的に発生します。
- 運行管理者・整備管理者の選任と届出
- 点呼の実施と記録の保存
- 業務記録(運転日報)、荷待ち・荷役時間の記録
- 事業報告書・事業実績報告書の提出
- 保有車両150台以上の場合、改正物流効率化法の特定貨物自動車運送事業者として中長期計画の作成と定期報告
許可を取ることより、取った後の管理体制を維持することのほうが難しいというのが実務の実感です。
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