共同配送
読み方:きょうどうはいそう 英語表記:Joint delivery
共同配送とは、複数の荷主の貨物を1台のトラックにまとめて配送する仕組みです。積載率を高め、トラックの走行台数そのものを減らすことを目的とします。
共同配送のメリット
① 積載率の向上
1社では半分しか埋まらない車両も、複数荷主の荷物を積み合わせれば満載に近づきます。同じ売上を、より少ない車両と人員で運べるようになります。
② 配送コストの削減
車両台数・燃料費・人件費が圧縮されます。荷主から見れば1件あたりの配送単価が下がり、運送事業者から見れば車両1台あたりの収益性が上がります。
③ 環境負荷の低減
走行台数の削減はCO2排出量の削減に直結します。荷主企業のCSR・サステナビリティ要件を満たす手段としても評価されています。
④ 納品先の負担軽減
小売店舗や工場から見ると、5社が別々に来ていた納品が1台にまとまれば、荷受け・検品の手間とバースの混雑が減ります。荷待ち時間の短縮にもつながります。
実現を阻む3つの課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 利害調整 | 競合他社と荷物を混載することへの抵抗。配送順序による有利不利 |
| コスト配分 | 誰がどれだけ負担するか。重量・容積・距離のどれを基準にするか |
| オペレーション | 荷姿・パレット規格・伝票様式の不統一。事故時の責任分界点 |
技術的な問題よりも、調整と合意形成のコストが最大の壁です。共同配送センターの運営主体をどこが担うか、という論点も避けて通れません。
経営者が押さえるべきポイント
共同配送は「仕事を奪われる話」ではなく「元請けになる機会」です。
中小運送事業者の間には、共同配送が進むと自社の輸送量が減るのではないかという警戒があります。しかし実態は逆で、共同配送のスキームには必ず取りまとめ役が必要です。集荷、積合せ設計、配送順の最適化、荷主間の調整を担う事業者がいなければ回りません。
このポジションを取れれば、単なる下請けから抜け出せます。求められるのは規模ではなく、地域の荷主網と積合せを設計できる力です。地場の中小事業者のほうが有利な領域でもあります。
一方で、共同配送に参加するだけの立場に留まると、輸送単価の低下圧力を受けます。参加するか、取りまとめるか。この選択が収益構造を分けます。
なお、改正物流効率化法では荷主の努力義務として「トラック事業者が複数の荷主の貨物の積合せ、共同配送、復荷の確保等に積極的に取り組めるよう、実態に即した適切なリードタイムの確保や荷主間の連携に取り組むこと」が明記されました。荷主側に協力する義務があるという状況は、提案を持ちかける追い風になります。
関連用語
- 規模拡大・エリア補完のためのM&Aを検討したい → M&A仲介サービス