リードタイム
読み方:りーどたいむ 英語表記:Lead Time
リードタイムとは、商品の発注から納品にいたるまでにかかる時間のことです。物流業界では特に、荷主から運送依頼を受けてから納品を完了するまでの猶予時間を指します。
リードタイムの種類
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 調達リードタイム | 資材・部品を発注してから入荷するまで |
| 生産リードタイム | 生産着手から完成まで |
| 配送リードタイム | 出荷指示から納品先に届くまで |
| 物流リードタイム | 受注から納品までの物流工程全体 |
現場では「D0」「D1」「D2」という表現も使われます。Dは日を、数字は日数を表し、D0は当日納品、D1は翌日納品を意味します。
短いリードタイムが生む問題
日本の商慣行では、翌日納品・当日納品が当たり前とされてきました。しかしこれが物流を圧迫する最大の要因のひとつです。
① 長距離の夜間運行が常態化する
夕方に出荷指示が出て翌朝納品となれば、夜通し走るしかありません。改善基準告示の休息期間を確保できない運行計画が生まれます。
② 積載率が上がらない
猶予時間がなければ、他の荷物と積み合わせる余地がありません。半分空のまま走ることになります。
③ 中継輸送やモーダルシフトが使えない
鉄道や船舶への転換、ドライバー交代による中継輸送は、いずれも一定のリードタイムを前提とします。翌日納品では選択肢に入りません。
④ 運賃交渉力が失われる
急ぎの依頼を断れない関係性が固定化すると、価格交渉の主導権を持てなくなります。
経営者が押さえるべきポイント
リードタイムの確保は、いまや荷主側の努力義務です。
2025年4月から施行された改正物流効率化法では、すべての荷主に対し、積載効率の向上等に関する取組として「トラック事業者が複数の荷主の貨物の積合せ、共同配送、復荷(帰り荷)の確保等に積極的に取り組めるよう、実態に即した適切なリードタイムの確保や荷主間の連携に取り組むこと」が判断基準(省令)で明記されました。
これは交渉の前提が変わったことを意味します。従来は「無理を聞いてもらえないなら他社に頼む」と言われれば終わりでした。いまはリードタイム確保が荷主のコンプライアンス事項です。
具体的には、次のように話を持っていくのが実務的です。
- 現状のリードタイムでは改善基準告示を遵守できない運行がある事実をデータで示す
- 半日〜1日の猶予があれば積合せ・中継輸送が可能になり、コストも下がることを示す
- 判断基準に照らして、荷主側の取組事項であることを伝える
「頼み込む」のではなく「制度上そうなっている」と説明できる状態をつくることが重要です。