スポット便 / 定期便(ルート便)
読み方:スポットびん/ていきびん
スポット便とは、その都度発生する単発の依頼に応じて運行する輸送のことです。定期便(ルート便)とは、決まった区間・決まったスケジュールで継続的に運行する輸送を指します。
両者の比較
| 項目 | スポット便 | 定期便(ルート便) |
|---|---|---|
| 依頼の発生 | 不定期・突発的 | 契約に基づき継続的 |
| 単価 | 高くなりやすい(緊急性・希少性) | 相対的に低い(継続前提の価格) |
| 収益の安定性 | 低い | 高い |
| 車両・人員計画 | 立てにくい | 立てやすい |
| 帰り便 | 確保が難しい | 往復設計が可能 |
| 必要な体制 | 即応できる遊休車両とドライバー | 継続対応できる代替要員 |
スポット便の実像
「急ぎだから高く取れる」というのは一面的な理解です。実際には次のコストが発生します。
- 依頼に備えて車両とドライバーを空けておく待機コスト
- 帰り便が確保できず空車回送になるコスト
- 突発対応による他の運行計画への影響
単価が高くても、稼働率と実車率を含めて計算すると定期便より利益が薄いケースは珍しくありません。
定期便の実像
一方の定期便は、単価は抑えられるものの経営上の利点が大きい形態です。
- 月次の売上が読めるため、資金繰りと投資判断がしやすい
- 同じルートの反復により、運行効率が上がっていく
- ドライバーの生活リズムが安定し、定着率が上がる
ドライバーの定着という観点は特に重要です。勤務時間が読める仕事は採用面で強く、離職コストの削減という形で利益に効いてきます。
経営者が押さえるべきポイント
目安は「定期便7割・スポット便3割」です。
定期便だけでは、特定荷主への依存度が高まり、契約打ち切り時の打撃が大きくなります。一方スポット便だけでは、売上が読めず設備投資も採用計画も立てられません。
定期便で固定費を回収し、スポット便で限界利益を積み増す。この構造をつくることが、中小運送業の基本設計です。
判断のために持つべき数字は次の3つです。
- 定期便で固定費(人件費・車両費・保険・営業所費)の何割を賄えているか
- スポット便の実車率(往復で計算しているか)
- 荷主別の粗利率(売上ではなく粗利で順位をつける)
売上上位の荷主が、粗利では下位というケースは頻繁にあります。荷主別採算を出さないまま「大口だから大事」と判断すると、赤字取引を抱え続けることになります。
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