最大積載量
読み方:さいだいせきさいりょう
最大積載量とは、その車両に積載することができる貨物の重量の上限です。車検証に記載され、車両後部にも表示が義務付けられています。
車両総重量との関係
最大積載量は、次の式で導かれます。
最大積載量 = 車両総重量 -(車両重量 + 乗車定員 × 55kg)
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 車両重量 | 車両本体の重さ(燃料・オイル・冷却水を含み、乗員・荷物は含まない) |
| 乗車定員の重量 | 1人あたり55kgで計算 |
| 車両総重量 | 車両重量+乗員の重量+最大積載量 |
つまり、乗車人数が増えればその分だけ積める荷物は減ります。2人乗務にすると最大積載量が55kg目減りする、という関係です。
過積載の罰則
過積載は道路交通法違反であり、運転者だけでなく事業者にも責任が及びます。
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 運転者 | 反則金・違反点数。超過割合が大きい場合は罰則(超過が5割以上で6か月以下の懲役または10万円以下の罰金) |
| 事業者(使用者) | 警察から使用者に対する再発防止命令。従わない場合は罰則 |
| 荷主 | 荷主が過積載を要求した場合、警察署長から再発防止命令。違反すれば罰則 |
| 行政処分 | 貨物自動車運送事業法に基づく車両停止等の処分 |
さらに、過積載状態で事故を起こせば、任意保険が支払われない可能性があります。制動距離が伸び、車両の破損リスクも高まるため、整備費用の増加という形でも経営を圧迫します。
経営者が押さえるべきポイント
過積載は「現場の判断ミス」ではなく「経営の問題」です。
現場が過積載をするのは、たいてい次のいずれかが原因です。
- 車両に対して荷物が多すぎる配車を組んでいる
- 1台で運びきれない量を、追加便を出さずに済ませようとしている
- 荷主から「1台で運んでほしい」と言われて断れていない
いずれも配車設計と取引条件の問題であり、ドライバー個人の意識の問題ではありません。
荷主に起因する過積載には、制度上の対抗手段があります。
荷主が過積載を要求した場合、警察署長は荷主に対して再発防止命令を出すことができます。また貨物自動車運送事業法には荷主勧告制度があり、荷主の行為が事業者の法令違反の原因となっている場合、国土交通大臣が荷主に対して勧告を行い、その内容を公表する仕組みがあります。
「断ったら仕事がなくなる」という判断で受け入れ続けると、事故が起きたときに事業そのものを失います。過積載を前提とした運賃は、そもそも成立していない取引だと考えるべきです。
車両ごとの最大積載量を配車システムに登録し、計画段階で超過を検知できる状態にしておくことが実務的な対策になります。
関連用語
参考・出典
- 国土交通省「『標準的な運賃』について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000118.html
- 国土交通省 報道発表「新たなトラックの標準的運賃を告示しました」(令和6年3月22日)
- 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/
- 国土交通省「特定事業者の指定」 https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/designation/
- 国土交通省「荷待時間や荷役作業・附帯業務の『業務記録』への記録義務の対象が、全車両に拡大」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001865382.pdf
- 国土交通省「改正貨物自動車運送事業法(令和7年4月1日施行)について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn4_000014.html
※各ページには「本記事は2026年7月時点の情報です。個別の適用判断は所轄の運輸支局または専門家にご確認ください。」の注記を入れてください。